整形外科の看護師ってどんなイメージを持ってるでしょうか。
- THE体育会系
- 患者さんが若いから楽
- 腰痛の患者さんが多くて老人ホームみたい
同期に聞いた整形外科のイメージです。
わたしは看護学生のときから整形外科にはまったく興味がなくて。

まち
折れた骨を先生がくっつけたら終わりでしょ!?
なのに、第4希望の整形外科に配属されたという運のなさ…。
それでも4年間も働き続けてきたのは、整形外科が楽だったからなのか、楽しかったからなのか…。
この記事ではそんな4年間整形外科病棟で働いてきたリアルな体験談とともに
- 整形外科看護師が楽だと思われる理由
- 整形外科で働くことが楽になるためのオススメテキスト
- 整形外科のリアルな現場の声
の3つのポイントに分けてお伝えしていきます。
目次
整形外科看護師が楽だと思われる理由3つ

わたし自身も内科で働いているときに先輩から教えてもらったことがあります。
整形外科の看護師はオペ出しは早くなるけど、ただそれだけ。
そうやって教わってたから、整形外科の看護師さんってなんて楽なんだろう〜!って羨ましく感じていました。
そんな整形外科の病棟で実際に働いてみて感じた3つの理由を教えましょう。
内科的な疾患ではないので元気なことが多い
事故や怪我の患者さんもいますので、幼稚園くらいの小さなお子さんから同年代の30〜40歳代の方もいます。
もちろん80歳代、90歳代の方の入院が多いのですが、「病気したことありません。」という方もいるくらい。
本当にこのひと言につきます。
内臓は元気だから、口も元気。
内科や外科に比べたら病室がやや活気があります。
自立部屋とか近所の井戸端会議かのような賑やかさで、看護師も元気がもらえる部屋です。
骨折や外傷は医師が治療したらあとはリハビリがメインになる
医療的な処置がたくさんあるわけではないのが整形外科。
骨折や外傷に対して医師が手術や治療を行ったら、リハビリをして元の生活に戻れるように患者さんががんばる。
看護師はその回復過程のなかで、患者さんが出来ないことを見極めて支えていく。
日常生活援助が多いのが事実。
点滴だってそんなに多いわけじゃない。
トイレに行くための移乗介助とか。
一緒に病棟を散歩してみたり。
忙しいなかでもそんなことが出来るのが整形外科。
だから勉強することがあまり多くない
わたしは整形外科に本当に興味がなくて。
病棟に配属されても、興味がないことを勉強することほど苦痛なことはない。
なので正直なところあまり勉強をしていません。

まち
そんなことを堂々と書いて良いのか!
腓骨神経麻痺とかコンパートメント症候群とか、看護師の観察で予防できることは勉強しました。
けれどそれ以外は本当に手術後の一般的な観察が分かれば、なんとかなります。
これが先輩が言っていた”オペ出しは早くなるけど、ただそれだけ”の看護師なんだろうな。
整形外科の看護師がもっと楽になるためのテキスト3選!
わたしのようにほとんど勉強しなくてもどうにかなります。
しかし、やっぱり勉強はした方がラクになります。

まち
知識があることは患者さん・医師との信頼関係にも繋がるよ!
ということで最低限の勉強をするうえでの必需品を教えちゃいます。
①病気がみえる
王道のテキストはやっぱり分かりやすい。
これ1冊でバッチリ!というわけにはいかないけど、広く浅く知識をつけるならこれ以外はない!
②ゼロからわかる整形外科看護
マンガタイプで分かりやすい!
そしてなにより1,650円でテキストが買えるということがなかなかないからありがたいです。
症状・治療は病気が見えるで勉強して、看護としてなにをするかをこのテキストを使って勉強していました。
③ネッター解剖学アトラス
医師たちは骨や関節などの名称を略称で呼んで会話をしたりしています。
会話に混ざらなくても今なにを話しているのかが分かると、仕事が楽しくなりますよね。
10,000円を超えるのとかなり分厚いテキストなので、個人というより病棟に1冊置いて欲しい。
マンガ風ではなくてリアルな臓器のイメージがしたい人はぜひみて欲しい!

まち
実はこのテキストは手術室に移動になったときに知って、これを病棟時代からみていたらイメージしやすかったな…と思った一冊なの!
整形外科の看護師になって分かったリアルなところ

- オペ出しはめちゃめちゃ早くなる
- オペ後の観察もコツもめちゃめちゃ早くなる
- 緊急入院の対応もめちゃめちゃ早くなる
- ルート確保の機会がなくなる
- 腰痛とさらに仲良くなる
- ナースコールが多すぎる
- 急変もわりと多い
思いつくままに書き出しましたが、ひと言でいうと体力勝負です。
痛くて動けない患者さんをなんとか動かしていくので、看護師の腰痛は悪化します。
コルセットを装着している看護師がとても多いです。
わたしが勤めている病棟では半数の人はコルセット持っていました。

まち
実はわたしも2個持ってるし、自分が腰を痛めてMRI撮ったこともあるよ。
急変もわりと多いです。
わたしは7年勤めていますが1年に1回は救急カートを出動させて、コードブルー(院内緊急コール)をかけていました。
その前外科や内科にいたときは3年に1回の頻度だったのに。
講師の先生がこんなことを言っていました。
実は整形外科が急変のリスクが1番高かったりします。
手術の患者さんは翌日までベッド上安静ですし、腰痛の患者さんも主治医から離床の許可があるまでは動きません。
血栓が出来やすい状況にあるということです。
実際に離床直後に心肺停止になった例もあります。
片足だけやたら浮腫がひどいと思ったら血栓が大きくて、緊急でアンギオしなければならなかった例もあります。
整形外科の患者さんは元気なことが多いので、急変時DNRの話をしていないことが多々あります。
なので、よくイメトレしていたACLSの知識が活かせる現場だったりします。

まち
BLS・ACLSの知識はぜひ身に付けておこう!
整形外科の看護師って楽というより楽しいよ!

整形外科の患者さんは目に見えて回復していくのが分かるので、やりがいを感じるし楽しいです。

まち
医師も体育会系が多いから、ノリが良いです!
医学的処置が少ない分ラクだと思う人もいるかもしれない。
ミスはしてないだろうかという不安や、呼吸器のアラーム音が頭から離れないような精神的なストレスが減るからラクに見えるかもしれない。
けど忙しいオペ出しの合間を見つけて、洗髪したり足浴したり。
手を抜くラクではなく、楽しく仕事ができる環境にあります。
患者さんに寄り添った看護がしたいって思う人には、1度は経験して欲しいと思う科の1つです。

まち
整形外科にいた4年間、辞めたいと思ったことはなかったという奇跡!